陶材

【とうざい】

最終更新日:2016-04-28 (木) 21:10:12



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[編集]概要

 歯科用セラミックスはほとんどがガラス質からなり,天然歯に似た色調や透明性を再現できる。さらに,生体親和性,硬さ,耐摩耗性,化学的安定性などにも優れた性質を有しており,審美性を求める修復に欠かせない歯科用材料である。近年では,ガラスセラミックスや多結晶セラミックスのような高強度セラミックスも開発されている。
 歯冠修復用セラミックスの用途としては,症例毎に焼成して作るオールセラミッククラウン(全部陶材冠),メタルボンドクラウン(陶材焼付鋳造冠),ポーセレンラミネートべニア,インレー等がある。近年開発されている高結晶セラミックスのなかには,オールセラミックスによる連結冠製作が可能な製品も供給されている。


[編集]組成

 歯科用陶材は長石(正長石)を主成分として,石英,カオリン等を含有する。

成  分割合(重量%)役  割
長  石80~90(主成分)透明性の付与
石  英10~20強さ,骨格
カオリン(陶土)0~5成形性(築盛時),透明性は低下(5%以下)
ホウ砂,炭酸ナトリウムなど焼成温度の低下
金属酸化物着色,膨張調節


 長石は1,250~1,500℃で融解して透明なガラス状態となり,陶材に透明性を付与する。石英は陶材の骨組みとなり強度を増加させるが,添加量が多すぎると透明性を低下させる。また,カオリンは築盛時の成形性(賦与性)を与えるが,透明性を低下させる。このほか,焼成温度を下げるためにフラックスとしてホウ砂,炭酸ナトリウムなど,着色や膨張調節を目的として金属酸化物が添加されている。
 中・低温焼成陶材では,陶材粉末を一度融解してガラス化し,粉砕した{{フリット}}と呼ばれる粉末を添加することによって焼成温度を下げている。


[編集]分類

 歯科用陶材は,焼成温度,成分,用途,製作法によって以下のように分類されている。

  1. 焼成温度による分類
    1. 高温焼成陶材(1,300℃以上)
    2. 中温焼成陶材(1,101~1,300℃)
    3. 低温焼成陶材(850~1,100℃)
      現在では。主にチタン焼付を目的とした超低温焼成陶材(850℃)も供給されている。
  2. 成分による分類
    1. 長石質陶材:シリカガラス相と,場合によってはリューサイト結晶などのような結晶相からなる陶材で,一般に硬く脆い。
    2. アルミナ陶材:長石質陶材にアルミナ粉末を添加した陶材であり,強さは増加するが透明性は低下する。
    3. 金属焼付用陶材:長石質陶材の熱膨張係数は6.4~7.8×10-6/℃であり,陶材焼付用金合金の14~17×10-6/℃と比べて大きく離れている。この相違は,陶材と金属との界面でクラックの発生やそれによる剥離の原因となる。そのため,金属焼付用陶材では熱膨張係数の大きいリューサイト結晶(20~25×10-6/℃)を析出させ,陶材焼付用金合金の熱膨張係数よりわずかに小さくなるように調整されている。
  3. 陶材粉末による分類  陶材は,一般に色調や透明性の異なる数種類の粉末を用いて築盛され,目的別に陶材粉末が供給されている。
    1. エナメル
    2. デンティン
    3. コア
    4. オペーク
    5. ステイン
    6. グレーズ

[編集]製作法による分類

  1. 焼成(焼結):陶材築盛,スリップキャスト
  2. ロストワックス:鋳造,加圧
  3. 機械加工:CAD/CAM

     

[編集]出典

歯科理工学 (新歯科技工士教本)




[編集]関連リンク

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