鋳巣

【いす】

最終更新日:2016-11-14 (月) 23:39:52









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[編集]概要

  • 鋳造欠陥の一種で,鋳造によって鋳造体内部や表面に気孔または気泡が存在する状態の総称。その成立過程として,引け巣など(凝固巣収縮巣)のように凝固収縮による場合と,合金中へのガスの吸収,鋳造時の空気の巻き込み等が原因の場合と2つに大別される。


[編集]引け巣

  1. 引け巣は,鋳造体の最終凝固に生じる空洞状の欠陥であるが,部分的に合金が不足している場合にも認められる。鋳造体内部に発生する小さな空洞は表面上からは確認できないが,合金不足の場合は表面上から確認ができる。引け巣が存在すると,口腔内で十分な性能を発揮できず,咬合圧により変形することもある。
    1. 主に認められる場所 鋳造時における熱容量が最も大きい部分,すなわち最終凝固部に発生し易い。鋳造体で合金量が多い部分であり,原型製作(ワックスアップ)時にはワックスパターンの最大肉厚部が引け巣の発生し易い部位となる。
    2. 原因 凝固収縮が起きても溶湯があれば鋳造圧による補充が可能であるが,最終凝固が鋳造体内で起こる場合,ほかの部分が既に凝固した後も凝固が続いているため,溶湯の供給がなくなって比較的冷却速度が遅い,凝固の遅れる部分に凝固収縮が集中する。鋳造操作上では鋳造圧の不足,スプルー線が細過ぎる,長過ぎる,鋳型オーバーヒート(過熱)などが関係する。
    3. 対策 鋳造に際して凝固収縮は避けられないので,賢明なたいさくとしては,凝固収縮による引け巣の発生し易い部分を鋳造体の外に設定することである。最終凝固部である熱容量の大きな部分をスプルー線部分や残り湯部分にすると良い。そのために,湯だまりを付与したりスプルー線を太く短くするなどの対策が基本となろう。


[編集]ブローホール

  1. 鋳造体内で小さな気泡が全体的又は不特定部分に点在する状態を指す。鋳造体内部の気泡は表面上からは目視できないので,引け巣同様,気泡の発生は主に鋳造体の機械的性質に影響し,合金本来の性質を損なう。
    1. 主にみられる場所 小さな空隙が鋳造体全体の不特定部分に現れる。また,それらの空隙が一ヵ所に集中することもある。
    2. 原因 主に合金の溶解時に原因があると考えられる。合金を長時間溶解したり,溶解時にオーバーヒートして大量のガスを吸収すると,凝固時にそれらのガスが放出されて鋳造体の中に気泡として残留する。溶解時にはガスの吸収や酸化が起こっている可能性があるため,反復使用すると合金内でのガスの吸収や酸化物が増し,気泡発生の原因となり易くなる。
    3. 対策 気泡の発生は,長時間の融解や融解時のオーバーヒートによるガスの吸収や酸化であるから,大気を遮断して可及的速やかに融解して溶湯を流し込む必要がある。不活性ガス雰囲気での融解が可能な高周波誘導のあるアーク融解が有効である。ブローパイプで融解する場合には,オーバーヒートを避けつつ,酸化を防止するために還元炎を用い,なおかつフラックスを使用すると良い。合金を反復使用する場合には,未使用合金を半分以上投入する方法が有効である。


[編集]出典

歯科理工学 (新歯科技工士教本)




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