国外で作成された歯科技工物の取扱いに関する再質問に対する答弁書

【こくがい―さくせい―しかぎこうぶつ―とりあつか―かん―さいしつもん―たい―とうべんしょ】

最終更新日:2016-04-06 (水) 21:25:09






答弁書第一九号

内閣参質一六五第一九号
  平成十八年十一月十七日

内閣総理大臣 安 倍 晋 三

参議院議長 扇   千  景 殿

 参議院議員大久保勉君提出国外で作成された歯科技工物の取扱いに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。


参議院議員大久保勉君提出国外で作成された歯科技工物の取扱いに関する再質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「薬監証明」は、治療上緊急性がある場合であって代替品が国内において流通していない場合に、医師又は歯科医師が自己の責任の下、自己の患者の診断又は治療に供することを目的として薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器(以下「医薬品等」という。)を輸入する際などに、当該輸入が製造販売又は製造のために医薬品等を業として輸入するものではないということを確認するため、「医薬品等輸入監視要領について」(昭和五十七年四月八日付け薬発第三百六十四号厚生省薬務局長通知)の別添1「医薬品等輸入監視要領」に基づき、厚生労働省地方厚生局の薬事監視員がその旨を確認する行為のことを指しているものと考えられるが、補てつ物については、医薬品等には該当せず、同法による規制の対象外の製品であることから、輸入する際に「薬監証明」は必要としない。
 また、補てつ物を作成する歯科材料(以下単に「歯科材料」という。)については、同法に規定する医療機器に該当することから、先に述べたとおり「薬監証明」を必要とする場合もあるし、必要としない場合もあるので、「薬監証明」では歯科材料の全輸入量及び全輸入金額を把握することはできない。
 なお、輸出統計品目表及び輸入統計品目表を定める等の件(昭和六十二年大蔵省告示第九十四号)の輸入統計品目表上、補てつ物及び歯科材料が分類され得る品目としては、人工歯(輸入統計品目表九○二一・二一―○一○)、人工歯以外の義歯(同表九○二一・二一―○九○)、歯用の取付用品(同表九○二一・二九―○○○)及び歯科用セメントその他の歯科用充てん材料(同表三○○六・四○―○一○)があるが、これにより補てつ物及び歯科材料の全輸入量及び全輸入金額を把握することはできない。

二について

 歯科技工士の知識及び技術の水準は個々の歯科技工士によって様々であり、また、国外で補てつ物、充てん物又は矯正装置(以下「補てつ物等」という。)を作成する者の知識及び技術の水準も個々の者によって様々であるため、特定の歯科技工士と国外で補てつ物等を作成する特定の者とを比較した場合には、御指摘のような可能性がないわけではないが、いずれにせよ、政府としては、歯科医療の安全性の確保のために必要な措置を講じているところである。

三について

 厚生労働省においては、先の答弁書(平成十八年十月十七日内閣参質一六五第五号。以下「先の答弁書」という。)三についてで述べたとおり、「国外で作成された補てつ物等の取り扱いについて」(平成十七年九月八日付け医政歯発第0908001号厚生労働省医政局歯科保健課長通知。以下「通知」という。)を各都道府県に通知したほか、平成十八年十月十七日に同省のホームページに通知の内容を掲載するなどによりその周知徹底を図り、歯科医師から個々の患者に対して十分な情報提供が行われるように努めるなど必要な措置を講じているところであり、お尋ねのような施策を実施する考えはない。

四について

 国外で作成された補てつ物等については、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第六条第一項各号に掲げる医療保険各法による療養の給付又は同法による医療(以下「療養の給付等」という。)の対象とすることについて歯科医師、患者等からの要望があるとは承知しておらず、現時点において、療養の給付等の対象とする予定はない。

五について

 歯科医師に対しては、国内において歯科技工士補てつ物等を作成する場合を含め、歯科技工士法(昭和三十年法律第百六十八号)第十八条の指示書の交付が義務付けられておらず、政策として整合性を欠くなどという御指摘は当たらないと考える。
 また、お尋ねの「歯科医師から国外における補てつ物等の作成者及び輸入者に対しての任意による指示書の交付状況」については、把握していない。

六について

 国外で作成された補てつ物等を歯科医師が患者に供する場合には、患者を治療する歯科医師が歯科医学的知見に基づき適切に判断し、当該歯科医師の責任の下、当該患者に対する危害の発生の防止に十分配慮した上で実施されるべきものであるため、国内で作成された補てつ物等と同等の品質及び安全性を担保するための検査を行っていないものである。
 一方、輸入食品については、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)に基づき、不特定又は多数の者に対する飲食物に起因する衛生上の危害の発生を防止するため、同法第二十三条に基づき定められた「輸入食品監視指導計画」に従い、検査等を行っているところである。

七について

 薬事法第六十六条により、医薬品等に関する虚偽又は誇大な広告を禁止している理由は、医薬品等に関する虚偽又は誇大な広告による不正確な情報に基づき医薬品等を使用した結果、使用者が保健衛生上の危害を受けることを防止するためである。

八及び九について

 補てつ物の広告については、補てつ物が医薬品等に該当しないことから、薬事法第六十六条の規定は適用されない。
 一方、歯科材料の広告については、歯科材料が医療機器に該当することから、それが虚偽又は誇大な広告に当たる場合には同条違反となるが、御指摘の「リスクゼロ」等の表現を使用する広告が同条違反となるか否かについては、個別具体的に当該広告が対象とする歯科材料の性状等も勘案し判断することとなるため、一概にはお答えできない。
 広告に関する事項を含め補てつ物の取扱いが医薬品等と異なる理由は、補てつ物は、個別の事例に応じて歯科医師による適切な判断の下で特定の患者の歯科医療のために作成され、用いられるものであり、医薬品等のように一般に流通する可能性がないためである。

十について

 先の答弁書八についてでは、「患者に十分な情報を提供する観点からも、国外作成補てつ物等を患者に提供する歯科医師において、十分かつ正確な情報を収集することが必要」と答弁しており、政府が十分かつ正確な情報を収集すると答弁したものではない。いずれにせよ、政府としては、御指摘の通知の周知徹底を図ることにより、歯科医師から個々の患者に対して十分な情報提供が行われるように努めてまいりたい。



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