医発第611号

【いはつだい ― ごう】

最終更新日:2016-03-31 (木) 21:42:58






○歯科医業並びに歯科技工所の広告について

(昭和三〇年一一月四日)
(衛医医発第二〇三号)
(厚生省医務局長あて東京都衛生局長照会)
 標記について、別紙のとおり新聞、ラヂオ等で広告している旨の通報があったが、これは当然医療法第六十九条、歯科技工法第二十六条に違反するものと解されるが、貴局のご見解を承りたい。

〔別紙〕 新商品案内 (東京タイムス三〇・九・三)
    軟性ビニール総義歯
  落語などにも、入歯を噛み折ったとか、飲んじゃった、という話があるが義歯、ことに総義歯ほど難物はないとされている。それは義歯床の吸着のむずかしさと、破損し易いことに起因する義歯が西洋から日本へ輸入されて約一〇〇年、ゴム床、金属からアクリル合成樹脂床と進歩はしてきたが、これらはいずれも硬性義歯床で、かねてから軟かい口腔粘膜に適合する軟かい義歯床ができたらと考えられていたが、最近遂に写真のような口腔粘膜に似た軟性ビニールを主体にして陶歯の周囲のみアクリル合成樹脂を用いて義歯を造ることに成功した。大体このビニールとアクリル混用の義歯作成の試案は、日本の歯科医小野氏が、三年前アメリカ歯科医師会の審査会に提出して、満場一致で通過したもので、その後研究の結果臨床に用いられるに至ったもの。ただ、軟性樹脂同様に高度の咬合圧に耐えさせるための技術的特殊性がありしたがって値段もかなり高価につくと思われるが小野氏の話によると価格の点も、従来の製作費にくらべて、さほど高いものでないとのこと。目下特許申請中で将来は、アメリカはじめ各国への輸出が考えられている。
(問合せは東京都台東区坂本二の一 小野義歯技工研究所へ)
「広告」 「東京タイムス三〇・九・二二」
  歯科技工界の驚異
     ビニール総義歯時代来る
  従来の個性義歯に比べ耐久力強く、軟かい口腔粘膜に適合する新発売本紙(九月三日付)に紹介されて評判の軟性ビニール義歯(特許申請中)問合せは
  東京都台東区坂本二の一〇 (八四)一八〇一
  小野歯科医院へ
  ラヂオ東京スポット放送「三〇・九・二七」
  〝入歯がこわれたり、よくかめない方はAF式金属床を御利用下さい〟
  中野区氷川町二九 AF歯科補綴研究所

(昭和三〇年一一月二九日 医発第六一一号)
(東京都知事あて厚生省医務局長回答)
 昭和三十年十一月四日衛医医発第二〇三号をもって、貴都衛生局長から照会のあった標記の件について、左記の通り回答する。


1 ビニール総義歯又はAF式金属床についての広告が歯科技工の業又は歯科技工所に関する広告と認められるときは歯科技工法第二十六条違反となる。ただし、同条の規定は、同法附則第一条の規定により、昭和三十年十月十五日から施行されるものであるから、念のため申し添える。
2 前項の広告が、実質上歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告と認められる場合は、医療法第六十九条違反となる。従って御照会の事例中東京タイムス紙上の広告は同条違反を構成するものと思料される。


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