医発第339号

【いはつだい ― ごう】

最終更新日:2016-03-31 (木) 21:40:17






○歯科技工士養成所教授要綱の改正について

(昭和五〇年四月一日)
(医発第三三九号)
(各都道府県知事あて厚生省医務局長通知)
 歯科技工法施行規則及び歯科技工士養成所指定規則の一部を改正する省令(昭和四九年一二月五日厚生省令第四五号)の施行により、歯科技工士養成所における学科課程が改正されたところであるが、この改正に伴い「歯科技工士養成所教授要綱」(昭和四二年一二月一八日医発第一、五七○号)を別紙のとおり全面改正したので、今後はこれに基づいて行うよう指導方をお願いする。

〔別紙〕
歯科技工士養成所教授要綱
歯科技工士養成所における教育の実施にあたつては、歯科技工士養成所指定規則(昭和三一年厚生省令第三号)別表に示す学科課程のうち、外国語及び美術概論を除き、次の要領に基づいて行うこと。

[編集]関係法規

1 目標
(1) 歯科技工法並びに関連法規について理解させ、その業務を遂行できるよう適正な知識を与える。
(2) 積極的に法を守る態度を養う。
2 方法
講義
3 基準時間
一五時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 法に関する一般的知識
イ 衛生行政の組織とその活動
ウ 歯科技工法の沿革
エ 歯科技工法とその随伴法令
オ 歯科医師法概要
カ 歯科衛生士法概要
キ 医療法概要
ク 歯科医療の概況
ケ その他
5 指導上の留意事項
単に条文を暗記させるような指導に陥らないよう、又関係法規の必要性を認識させ、適正な解釈とその適用のできるような考察力、判断力を養うようにつとめる。

[編集]歯科技工概論

1 目標
(1) 歯科技工の概念と歯科技工士の倫理を認識させる。
(2) 歯科技工に関係する咀嚼系器官についての知識を与える。
(3) 歯科技工業務の実施に必要な運営管理及び作業環境等についての知識を与える。
2 方法
講義
3 基準時間
三○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 歯科医療及び歯科技工の意義と目的
イ 歯科技工士の倫理
ウ 歯科技工の沿革
エ 歯科技工に関係のある歯科疾患と障害
オ 歯科技工に関する咀嚼系器官の構造と機能および審美性
カ 歯科技工業務の運営と管理
キ 歯科技工の作業環境とその衛生
ク その他
5 指導上の留意事項
(1) この学科は他の学科に先立つて行うのが適当で、歯科医療と歯科技工の概念を会得させると共に歯科技工士としての心構えをもたせる。
(2) 各学科の関連性について、理解させると共に、咀嚼系器官に関する生物学的知識を与える。

[編集]歯牙解剖

1 目標
(1) 歯について、その形態と構造を解剖学的見地から正しく理解させる。
(2) 歯群として歯が口腔の総合的機能に関与する重要性を認識させる。
(3) 歯の形態を素材に彫塑できる技術を習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
一五○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 解剖概説
イ 口腔各部の名称と形態
ウ 歯および歯の周囲組織の名称と形態
エ 歯の発生と萌出
オ 歯の解剖
(ア) 切歯
(イ) 犬歯
(ウ) 小臼歯
(エ) 大臼歯
(オ) 乳歯
カ 歯群(歯列弓)および咬合
キ その他
(2) 示説及び実習内容
ア 個々の歯冠の彫塑
イ 歯列内での歯冠の彫塑
ウ その他
5 指導上の留意事項
(1) 歯の形態と構造並びに歯の周囲組織の解剖学的事項について理解させる。
(2) 理論的な面を習得させるだけにとどまらず、示説及び実習により歯の形態を実感として理解させ、その彫塑技術を十分に習練させる。

[編集]有床義歯技工学

1 目標
有床義歯の理論と応用について、適正な知識と基礎的な技術を習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
五五○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 総義歯(全部床義歯)技工学
(ア) 総論
a 総義歯(全部床義歯)概説
b 総義歯(全部床義歯)の目的と構成
c 総義歯(全部床義歯)技工に伴う生物学的事項
d 下顎運動と咬合器(咬交器)
e 人工歯
f その他
(イ) 各論
a 総義歯(全部床義歯[[)の製作順序
b 印象採得]]に伴う技工
c 咬合採得に伴う技工
d 作業模型の製作
e 人工歯排列
f 歯肉(歯齦)形成
g テンチの歯型採得、埋没、レジン重合
h 削合
i 研磨
j 義歯の修理
k 金属床による総義歯(全部床義歯)
l その他
イ 局部床義歯(部分床義歯)技工学
(ア) 総論
a 局部床義歯(部分床義歯)概説
b 局部床義歯(部分床義歯)の目的とその種類及び構成
c 局部床義歯(部分床義歯)技工に伴う生物学的事項
d その他
(イ) 各論
a 局部床義歯(部分床義歯)の製作順序
b 印象採得に伴う技工
c 咬合採得に伴う技工
d 作業模型の製作
e (鈎)
f アタッチメント
g バー(杆)
h 人工歯排列と歯肉(歯齦)形成
i 埋没、レジン重合
j 削合、研磨
k 義歯の修理
l 金属床による局部床義歯(部分床義歯)
m その他
(2) 示説及び実習内容
ア 個人トレー
イ 咬合床
ウ 総義歯(全部床義歯)
エ 維持装置
オ 局部床義歯(部分床義歯)
カ その他
5 指導上の留意事項
有床義歯の目的等について理解させると共に、生物学的理論と理工学的理論に基づいた実技を十分習得させると共に、その専門的技術を適用できる能力を養う。

[編集]歯冠修復技工学

1 目標
歯冠修復物と架工義歯(橋義歯)の種類と構成等を理解させると共に、その理論と応用について適正な知識と基礎的な技術を習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説および実習
3 基準時間
五五○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 総論
(ア) 歯冠修復概説
(イ) 部分歯冠修復の目的とその種類及び構成
(ウ) 全部歯冠修復の目的とその種類及び構成
(エ) 架工義歯(橋義歯)の目的とその種類及び構成
(オ) 歯冠修復技工に伴う生物学的事項
(カ) その他
イ 各論
(ア) 印象採得に伴う技工
(イ) 咬合採得に伴う技工
(ウ) 作業模型の製作
(エ) メタルインレー
(オ) 陶材インレー
(カ) 部分被覆冠
(キ) 全部被覆冠
(ク) 継続歯
(ケ) 架工義歯(橋義歯)
(コ) その他
(2) 示説及び実習内容
ア インレー
イ 部分被覆冠
ウ 全部被覆冠
エ 継続歯
オ 架工義歯(橋義歯)
カ その他
5 指導上の留意事項
歯冠修復物及び架工義歯(橋義歯)の目的等について理解させると共に、生物学的理論と理工学的理論を理解に基づいた実技を十分習得させ、専門的技術を適用できる能力を養う。

[編集]矯正技工学

1 目標
歯科矯正の基礎的概念を理解させ、一般に使用されている歯科矯正装置の製作法について習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
三○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 総論
(ア) 歯科矯正概説
(イ) 歯科矯正装置の目的とその種類及び構成
(ウ) その他
イ 各論
(ア) 模型の製作
(イ) 線屈曲の基本
(ウ) 自在鑞着(鑞接)法
(エ) 歯科矯正装置の製作法と器材
(2) 示説及び実習内容
ア 自在鑞着(鑞接)
イ 歯科矯正装置の製作
ウ その他
5 指導上の留意事項
歯科矯正治療の目的等について理解させると共に、歯科矯正装置を製作するための理論に基づいた基本的な実技を習得させる。

[編集]小児歯科技工学

1 目標
小児歯科の基礎的概念を理解させ、一般に使用されている修復物及び咬合誘導装置等の製作法について習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
三○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 総論
(ア) 小児歯科概説
(イ) 咬合誘導のための基礎的事項
(ウ) 修復物、咬合誘導装置等の目的とその種類及び構成
(エ) その他
イ 各論
(ア) 修復物の製作法
(イ) 咬合誘導装置等の製作法
(ウ) その他
(2) 示説及び実習内容
ア 修復物
イ 咬合誘導装置等
ウ その他
5 指導上の留意事項
小児歯科治療の目的等について理解させると共に、修復物と咬合誘導装置等を製作するための理論に基づいた基本的な技術を習得させる。

[編集]歯科鋳造学

1 目標
歯科鋳造についての基礎的理論を理解させ、その器具と材料の取り扱い方及び鋳造技術の基本を習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
五○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 総論
(ア) 歯科鋳造概説
(イ) 鋳造理論
(ウ) 鋳造器具
(エ) 鋳造材料
(オ) その他
イ 各論
(ア) 模型の製作
(イ) 蝋型採得
(ウ) 鋳型の製作
(エ) 鋳造
(オ) 研磨
(カ) その他
(2) 示説及び実習内容
ア 模型
イ 蝋型
ウ 鋳型
エ 鋳造
オ 研磨
カ その他
5 指導上の留意事項
鋳造についての基礎的知識を理解させると共に、それに要する器具と材料の取り扱いを実習を通じて十分習得させる。

[編集]歯科理工学

1 目標
歯科技工に必要な歯科材料、機械器具についての基礎的な知識を理解させ、その取扱いと応用を習得させる。
2 方法
(1) 講義
(2) 示説及び実習
3 基準時間
一五○時間
4 教授内容
(1) 講義内容
ア 総論
(ア) 歯科理工概説
(イ) 歯科材料の性質とその試験法
(ウ) その他
イ 各論
(ア) 無機材料の種類とその取扱い方
(イ) 有機材料の種類とその取扱い方
(ウ) 金属材料(鋳造を除く)の種類とその取扱い方
(エ) 歯科技工用機械、器具の種類とその取扱い方
(オ) その他
(2) 示説及び実習= ア 歯科材料の試験法
イ 有機材料
ウ 無機材料
エ 金属材料
オ その他
5 指導上の留意事項
(1) 歯科材料や機械器具の取り扱いについて具体的な事象を取り上げ、その基礎的知識を理解させる。
(2) 各種歯科材料や機械器具について正しく選択、使用できるようにする。
(3) 技術の進歩に応じて、新しい材料や機械器具を取り上げて指導する。

[編集]歯科技工実習

1 目標
歯科技工に関する全ての科目の知識と技術を基礎として、歯科技工を総合的に習得させる。
2 方法
(1) 臨床模型上での実習
(2) 臨床的模型上での実習
3 基準時間
六○○時間
4 実習内容
(1) 有床義歯のための技工
(2) 歯冠修復物及び架工義歯(橋義歯)のための技工
(3) 歯科矯正のための技工
(4) 小児歯科のための技工
(5) その他
5 指導上の留意事項
(1) 指導の過程においては基礎実習の上に立つた総合的な技術を習得させる。
(2) この実習を通じて材料、機械器具の取り扱い方及び管理方法について十分習得させると共に、作業環境等について総合的に理解させる。
(3) 歯科技工全般にわたつて実習するが、その方法については実情に応じて適切な指導を行うこと。
(4) 特殊な機械器具を使用するものについては、校外における実習や見学等によつて習得させてもよい。


[編集]関連語句










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