医政発第329003号

【いせいはつだい ― ごう】

最終更新日:2016-03-31 (木) 21:09:26





○診療録等の保存を行う場所について〔歯科技工士法〕
(平成14年3月29日)
(/医政発第0329003号/保発第0329001号/)
(各都道府県知事・各社会保険事務局長あて厚生労働省医政局長・厚生労働省保険局長通知)

 医師法(昭和23年法律第201号)第24条及び歯科医師法(昭和23年法律第202号)第23条に規定する診療録については5年間これを保存しなければならないこととされるなど、診療を行った際に作成される記録等については、法令上、一定期間の保存義務が課せられているものがある。
 その保存を行う場所については、これまで明示されていなかったが、これらの記録等が診療の用に供するものであり、必要に応じて直ちに利用できる体制の確保が求められること、取り扱われる情報を保護する必要性が高いこと等から、診療を行いこれらの記録等を作成した病院、診療所等とするものと解されてきたところである。
 しかしながら、「診療録等の電子媒体による保存について」(平成11年4月22日付け健政発第517号・医薬発第587号・保険発第82号厚生省健康政策局長、医薬安全局長、保険局長通知。以下「平成11年通知」という。)により、一定の条件の下に診療録等の電子媒体による保存が認められたことから、電子媒体により保存された記録等については、作成した病院又は診療所以外の場所における保存(以下「外部保存」という。)を行う場合であっても、ネットワーク等を利用することにより、必要に応じて直ちに利用することが技術的に可能となっている。
 また、平成13年12月26日に保健医療情報システム検討会によりとりまとめられた「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン最終提言」において、医療分野の情報化のための基盤整備として「診療録等の施設外保存を認める通知の検討」が位置付けられていることから、今般、下記第1に掲げる診療録等の記録(以下「診療録等」という。)について、下記第2の1に掲げる基準を満たす場合には電子媒体による外部保存を認めるとともに、その実施に際し、留意すべき事項を下記第3のとおり示すこととしたので、御了知の上、関係者に周知方をお願いする。
 併せて、これまで取扱いが明示されていなかった紙媒体のままでの診療録等の外部保存についても、下記第2の2に掲げる基準を満たす場合には、これを認めることとする。
 この基準は、診療録等の外部保存を行うに際してのものであり、診療録等の情報活用を行うに際しての基準ではないことから、各医療機関においては、保存された診療録等の情報が適正に利用されるように注意を払うよう、併せて関係者に周知方をお願いする。
 なお、本通知は、診療録等の外部保存を義務付けるものではない。
 おって、現在、高度医療情報普及推進事業により、外部保存に関するガイドラインについて検討を行っているところであり、この結果が取りまとめられ次第、参考として送付する予定であることを申し添える。


第1 外部保存を認める記録等
 1 医師法第24条に規定されている診療録
 2 歯科医師法第23条に規定されている診療録
 3 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第42条に規定されている助産録
 4 医療法(昭和23年法律第205号)第52条に規定されている財産目録及び貸借対照表並びに損益計算書
 5 医療法第21条、第22条及び第22条の2に規定されている診療に関する諸記録及び同法第22条及び第22条の2に規定されている病院の管理及び運営に関する諸記録
 6 歯科技工士法(昭和30年法律第168号)第19条に規定されている指示書
 7 外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特例等に関する法律(昭和62年法律第29号)第11条に規定されている診療録
 8 救急救命士法(平成3年法律第36号)第46条に規定されている救急救命処置録
 9 医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第30条の23第1項及び第2項に規定されている帳簿
 10 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第9条に規定されている診療録等
 11 臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律施行規則(昭和33年厚生省令第24号)第12条の3に規定されている書類
 12 歯科衛生士法施行規則(平成元年厚生省令第46号)第18条に規定されている歯科衛生士の業務記録
 13 診療放射線技師法(昭和26年法律第226号)第28条に規定されている照射録
第2 診療録等の外部保存を行う際の基準
 1 電子媒体により外部保存を行う場合
  (1) 「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」第2(3)に掲げる基準(第1に掲げる記録の真正性、見読性及び保存性の確保をいう)を満たさなければならないこと。
  (2) 電気通信回線を通じて外部保存を行う場合にあっては、保存に係るホストコンピュータ、サーバ等の情報処理機器が医療法第1条の5第1項に規定する病院又は同条第2項に規定する診療所その他これに準ずるものとして医療法人等が適切に管理する場所、行政機関等が開設したデータセンター等、及び医療機関等が震災対策等の危機管理上の目的で確保した安全な場所に置かれるものであること。
なお、この取扱いは、電気通信回線を通じて外部保存を行う場合、診療録等に記録された個人情報の漏洩や不当な利用等を抑止する観点から、保存業務に従事する者もしくは従事していた者等に対して、法律や条例等により個人情報の内容に係る守秘義務や不当使用等の禁止が規定され、当該規定違反により罰則が適用されることを外部保存容認の前提条件としたものであり、今後、必要に応じて見直しを行う予定である。
  (3) 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)等を遵守する等により、患者のプライバシー保護に十分留意し、個人情報の保護が担保されること。
  (4) 外部保存は、診療録等の保存の義務を有する病院、診療所等の責任において行うこと。また、事故等が発生した場合における責任の所在を明確にしておくこと。
 2 紙媒体のままで外部保存を行う場合
  (1) 第1に掲げる記録が診療の用に供するものであることにかんがみ、必要に応じて直ちに利用できる体制を確保しておくこと。
  (2) 個人情報保護法等を遵守する等により、患者のプライバシー保護に十分留意し、個人情報の保護が担保されること。
  (3) 外部保存は、診療録等の保存の義務を有する病院、診療所等の責任において行うこと。また、事故等が発生した場合における責任の所在を明確にしておくこと。
第3 電子媒体により外部保存を行う際の留意事項
 1 外部保存を行う病院、診療所等の管理者は運用管理規程を定め、これに従い実施すること。なお、既に平成11年通知により運用管理規程を定めている場合は、適宜これを修正すること。
 2 1の運用管理規程の作成にあたっては、「民間事業者が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」の第三に掲げられている事項を定めること。


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