リン酸塩系埋没材

【 ― さんえんけいまいぼつざい】

最終更新日:2016-11-14 (月) 23:48:46


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耐火材としてシリカ80~90%,結合材として第一リン酸アンモニウム及び酸化マグネシウムが10~20%の組成から構成される高温耐熱用埋没材。石膏系埋没材に比して強度は高いが,通気性に劣る。コロイダルシリカを配合した専用液と共に使用するのが一般的である。また,カゼをひきやすいので個包装の商品が便利ではあるが,材料のロスが発生しやすい。
画像は,デグサ製オプティベストアバンテ。




[編集]【概要】

[編集]【形状・構造等】

  • 本材は,下記成分より構成される。
    性状成  分
    シリカ,リン酸アンモニウム,酸化マグネシウム,その他
    コロイダルシリカ,水



[編集]【性能,使用目的,効能又は効果】

  1. シリカ,リン酸塩,コロイダルシリカを主成分とする歯科高温鋳造用埋没材である。
  2. 使用目的,用途
     コバルトクロム合金などの高融点合金による全部床義歯部分床義歯クラスプなどを鋳造するときの鋳型製作に用いる。


[編集]【操作方法又は使用方法等】

  1. 耐火模型の制作
    1. 液100gに対して液15~16mlの割合で計量します。手練りで15秒間充分に練和後,真空攪拌器(パワーリフトミキサーなど)で30秒間真空練和し,寒天印象に注入します。気温が低い冬季には特に練和を長めに行ってください。
      ※物理的性質(試験室温23℃)
      混液量(粉100gに対して)専用液 15ml
      硬化時間7分
      硬化膨張0.50%
      熱膨張(800℃)1.30%
      圧縮強さ(2時間後)26.5MPa
    2. 耐火模型の取り出し:注入後,約1時間で印象から取り出します。
    3. コーティング:トリミング後,エアーバス100~120℃1時間乾燥し,ニスバス(松風モデルコート)でコーティングします。
    4. ワックスアップ:耐火模型上でワックスパターンを製作します。
  2. 外埋没・ワックス焼却・鋳造
    1. 水を用いて外埋没をする場合
      1. 粉100gに対して水17~19ml(標準18ml)の割合で計量します。手練りで15秒間充分練和し,真空攪拌器で30秒間真空練和し,通法により外埋没を行います。
      2. ワックス焼却・鋳造:埋没後1時間経過してから焼却します。室温から約300℃まで徐々に昇温し,1時間係留します。その後1時間で800℃に昇温し,1時間係留し鋳造します。但し,リングの数によって係留時間は多少異なることがあります。
    2. スーパースピードを用いて外埋没を製作する場合
      1. 粉100gに対してスーパースピードを18mlの割合で計量し,30秒間手練和した後,30秒間真空練和して外埋没を行います。埋没時に巻き込んだ気泡を除去する必要がある場合,ゲージ圧0.2~0.3MPa(2~3kgh/c㎡)で20分間加圧埋没を行います。
      2. 埋没を完了した40分後に850℃に昇温したファーネスに鋳型を投入,ワックスを焼却し,その温度で1時間係留した後,鋳造します。

        [使用方法に関する使用上の注意]
  3. 必ず専用液を使用し,計量前に容器をよく振ってから正確に計量すること。
  4. 必ず複模型寒天印象材を使用すること。
  5. 真空攪拌器のボールはリン酸塩系埋没材のものを使用し,石膏系埋没材との併用は避けること。
  6. 2次埋没時に鋳型強度が不足する場合は,水の一部を専用液に置き換えること。*1
  7. パターンの先端とリング上端は5mm以上を確保すること。
  8. ワックスバスの際,ワックスの温度を140℃以上にすると耐火模型面が荒れることがあるので注意すること。
  9. 粉は吸湿性があるため,使用後は速やかに密封すること。
  10. スーパースピードを用いて外埋没をした翌日以降に急速加熱により鋳型を焼却する場合,鋳型は保湿容器内に保存すること。また,焼却直前に鋳型を水に10分間浸漬してから焼却すること。


[編集]【使用上の注意】

  1. 使用注意
    1. 【性能,使用目的,効能又は効果】の項に記載の用途以外には使用しないこと。
    2. 本材はシリカを含有する。遊離シリカは長期にわたって吸引すると肺が損傷される可能性があるので,粉塵による人体への影響を避けるため,局所吸塵装置,公的機関が認可した防塵マスクなどを使用すること。
    3. 本材を加熱する際は,加熱によるガスを吸引しないよう,局所排気装置,換気扇などを設けた部屋で作業を行うこと。
    4. 本材の硬化物を研削する際には,目の損傷を防ぐために,保護めがねなどの保護具を使用すること。
    5. 本材は,歯科医療有資格者以外は使用しないこと。
  2. 重要な基本的注意
    1. 本材が目に入らないように注意すること。万一目に入った場合は,すぐに大量の流水で洗浄し,眼科医の診察を受けること。
    2. 本材の液及び練和物はアルカリ性であるため,使用に際しでは,ゴム手袋などを着用し,直接皮膚に接触しないようにすること。


[編集]【貯蔵・保管方法及び使用期間等】

  • [貯蔵・保管方法]
    • 本材は高温多湿の場所を避けて保管すること。*2
    • 開封後は密封して保管すること。
    • 本材は歯科の従事者以外が触れないように適切に保管・管理すること。
  • [使用期限]
    • 本材は包装に記載の使用期限※までに使用すること。*3
    • ※(例 YYYY-XXは→使用期限YYYY年XX月末日を示す)


[編集]【包装】

  • [単品包装]
  1. 粉:2.5kg,18kg,30kg
  2. 液:300ml,2L
  • [併用材料]
    • スーパースピード


[編集]【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称及び住所等】

  • 製造販売元:株式会社 松風
  • 住所:〒605-0983 京都市東山区福稲上高松町11
  • 電話番号:075-561-1112


[編集]【出典】

[編集]【関連語句】




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INDEX >> ら行


*1 液1:水2
*2 液は冬季に寒冷地では凍結しないように注意すること。
*3 記載の使用期限は,当社データによるものです。
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